第42回中部日本手外科学会/第12回中部日本ハンドセラピィ研究会

会長ごあいさつ

会長 藤原浩芳
第42回中部日本手外科学会の開催にあたって
会長 藤原 浩芳(京都第二赤十字病院 副院長   
京都府立医科大学 臨床教授)

この度、第42回中部日本手外科学会を2025年(令和7年)1月25日(土)に京都で開催させていただきます。伝統のある本学会を主宰する栄誉を賜り、会員の皆様に謹んで御礼申し上げます。京都府立医科大学手外科グループとしては、第15回中部日本手外科研究会で故平澤泰介先生が会長をされて以来27年ぶりの開催となります。新型コロナウイルスの5類移行後、2年近く経過しさまざまな学会活動は以前の姿に戻りつつあります。本学会も以前の様に膝をつき合わせて議論したいと考え、今回は現地開催のみといたしました。

今回の学会テーマは『原点回帰』とさせていただきました。近年、手外科領域においても患者立脚型評価が中心となりつつあります。手外科医にとってはいくら手術がうまくいっても最後に患者の満足が得られなければ治療がうまくいったとは言えません。手外科診療の中心はあくまで患者さんであり、われわれ手外科医の役割や目指すべき姿を、一度原点に立ち返り考える機会にしたいと思っています。

特別講演では日本手外科学会理事長の酒井昭典先生に「橈骨遠位端骨折のトータルケア」についてご講演いただき、原点回帰セミナーでは新潟手の外科研究所病院長の坪川直人先生に「手外科手術の原点から発展へ」というタイトルで、明治国際医療大学学長の勝見泰和先生には「手外科リスクマネジメント」について、それぞれご講演いただく予定です。ランチョンセミナーは順天堂大学医学部附属浦安病院手外科センター長の市原理司先生と慶応大学整形外科准教授の岩本卓士先生にお願いしております。また、シンポジウムとして「橈骨遠位端骨折から始める骨粗鬆症治療」を、パネルディスカッションとして「手指の外傷に対する治療」を企画いたしました。主題には「手関節障害」「橈骨遠位端骨折」「絞扼性神経障害」「新しい試み」「母指CM関節症」を取り上げました。症例報告を含めご応募いただいた演題はどれも興味深いものばかりで、すべて採用とさせていただきました。ランチョンセミナーを含め、ご発表演題総数は67となりました。日々の臨床、研究にお忙しい中多くのご応募をいただき誠にありがとうございました。様々な立場から多様な議論ができるようプログラムを組みましたので、活発な討論を期待しております。

今回の学会開催にあたり、名誉会員をはじめ多くの運営委員の先生方、企業の皆様から多大なるご支援を賜りましたこと、心より厚く御礼申し上げます。また、京都府立医科大学手外科グループの先生方にも学会準備をお手伝いいただき誠にありがとうございました。

1月の京都は比較的観光客が少なく、名所をゆっくりと楽しめる観光の穴場シーズンとも言えます。学会後は京料理と冬の京都を堪能していただきたいと思います。

皆様と京都でお会いできることを楽しみにしております。多数の先生方のご参加を何卒、よろしくお願い申し上げます。