会長ごあいさつ
第82回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会 会 長 大森 孝一 京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 |
このたび、第82回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会を2020年12月24日(木)~25日(金)に開催させていただきます。元々2020年6月25日(木)~26日(金)に予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い延期しておりました。ここに改めてご案内申しあげます。
耳鼻咽喉科臨床誌は、1908年(明治41年)に刊行された『耳鼻咽喉科京都臨床』にはじまり、第19巻からは現在の『耳鼻咽喉科臨床』に改題されました。学会名は『耳鼻咽喉科臨床会』とされ、1926年(大正15年)に第1回耳鼻咽喉科臨床会総会および学術講演会が開催されました。その後、第二次世界大戦での中止の後、1947年(昭和22年)に耳鼻咽喉科臨床誌が復刊され、1957年(昭和32年)に学術講演会も再開されて1985年(昭和60年)には学会名が『耳鼻咽喉科臨床学会』と改められました。2018年(平成30年)にはInternational Journal of Practical Otolaryngology (IJPO)をOnline Journalとして発刊しました。
今回の第82回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会は、「『臨床力』の強化と世界への発信」をテーマに掲げました。本学会には実臨床に熱心に取り組まれている先生方が多数参加されます。まず、病院での外科的治療について、シンポジウム「外科診療と先進技術の融合」では、最新のテクノロジーを駆使した外科診療をご紹介いただきます。「手術手技セミナー」では、やや難易度の高い手術手技を中心に、それぞれの分野のエキスパートにご講演いただきます。次に、診療所でもできる外科的治療について、パネルディスカッション「耳鼻咽喉科Day Surgery」では、低侵襲手術をご提示いただきます。「臨床セミナー」では、これから導入したい外来診療として、補聴器、嚥下、睡眠時無呼吸、上咽頭炎、頭頸部腫瘍検査について、実地医家の先生に導入の実際を含めてご講演いただきます。ご承知のように、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、外来患者さんは減少しておりますが、悪性腫瘍、感覚器障害、気道疾患など様々な分野で耳鼻咽喉科医が必要とされています。この学会に参加して、手技のレベルアップとともに新たな分野へ一歩踏み出すことで、『臨床力』の強化につなげていただければ、主催者として望外の喜びです。
日本から世界に医学情報を発信するには、英文学術誌に掲載される必要があります。シンポジウム「日本発の多施設臨床研究」では、耳鼻咽喉科の各領域で、様々な手法を用いた臨床研究について、成果はもちろんのことその研究手法についてもご提示いただきます。英文論文作成手法のセミナーも予定しています。本学会の英文誌IJPOをもっと多くの方に活用していただけるように広めていきたいと思います。
12月の京都では、平成の大修理が修了した清水寺、インスタ映えスポットとして有名な伏見稲荷や嵐山・竹林、北野天満宮の終い天神、祇園花街など、Kyoto-Heart of Japanを満喫していただけることと思います。また、通常通りの現地開催に加えて、WEB配信などオンラインでの開催も検討しております。ウィズコロナ時代にしっかり対応すると共に、アフターコロナ時代を見通せる学会に新しく生まれ変われるように第一歩を踏み出していきたいと思います。多くの方々のご参加をお待ちしております。