第36回日本喉頭科学会総会・学術講演会第36回日本喉頭科学会総会・学術講演会

会長ごあいさつ

2023年10月吉日
ごあいさつ
会長 大森 孝一

この度、2024年(令和6年) 3月7日(木曜)~8日(金曜)に、京都市にて第36回日本喉頭科学会 総会・学術講演会を開催いたします。このような貴重な機会をいただき、役員、会員の皆様には大変光栄なことと感謝申し上げます。

日本喉頭科学会は、1973年から1988年まで開催されていた喉頭基礎問題研究会を前身として、1989年に喉頭科学の進歩・発展に寄与することを目的として発足しました。現在の会員数は約1,000名となり、これまでの会員のご努力により、喉頭研究が発展し、様々な手術や治療法が開発されてきました。

本学術講演会には、日々喉頭疾患の診療に熱心に取り組まれている臨床医や、喉頭基礎研究に携わる研究者が多数出席されます。医学の発展には海外からの最新の知見を導入することは大切ですし、国内での新しい医療を開発することも大切です。今回は、喉頭研究の幅を広げることで、より多くの方が本学会に興味を持って参入していただけるような場を提供したいと思っています。現地開催を基本としてリアルの講演や討論をお楽しみいただき、一部の講演を学会終了後にオンデマンド配信してご都合で来場できなかった方にもご視聴いただく予定です。

学会のテーマをManagement and Innovationといたしました。喉頭は呼吸・発声・嚥下に深くかかわる臓器であるため、日常臨床において診断・治療を適切にマネジメントすることが大切です。また、喉頭科学における臨床および基礎研究からイノベーションを創出することも求められています。なかなか両者を達成するのは難しいですが、本学会が広い視野で両者を意識していただくきっかけになればと願いプログラムを組みました。

学会初日には喉頭や周辺疾患への実臨床に即した安全かつ適切なマネジメントについて取り上げました。気道緊急、短期滞在喉頭手術、高齢者喉頭・下咽頭癌治療をテーマとしました。2日目には特別講演として、USBフラッシュメモリーの生みの親として米国を中心に活躍されているビジネスデザイナーの濱口秀司さんに、イノベーションについてお話しいただきます。そして、喉頭基礎研究からの新規医療創出、新技術が変える喉頭・音声研究をテーマに取り上げました。明日からの実臨床に役立つ手術手技セミナーや教育セミナーも用意しています。

学術講演会においては一般演題での会員同士の活発な議論が最も大切です。多数の先生方にご演題を登録いただき本会を盛り上げていただきますようお願い申し上げます。

三月の京都は少し肌寒いかもしれませんが、春の訪れを告げる社寺を彩る梅や庭園をゆっくり眺めて、脳と心をリフレッシュしていただければと思います。

皆様には、是非ご参加いただきますようよろしくお願いいたします。

第36回日本喉頭科学会総会・学術講演会
会 長 大森 孝一
京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学